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ピアノのいろんなハナシ article

ピアノの先生に聞いた!
電子ピアノでは本当に
上達できないのか?

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ピアノの先生に聞いた!
電子ピアノでは本当に
上達できないのか?

 

ピアノを習う以上、ピアノで練習しなくてはならないのは100も承知だが、我が家はアパート住まい、持ち家など無理な話。

おまけに転勤族ときている。

それでも、我が子の情操教育の為にピアノを習わせることにした。

ピアノの先生に相談したところ「電子ピアノで練習をしてもピアノは上達が難しい」と、つれない返事にがっかり…

困っている人は沢山いらっしゃるのではありませんか?

確かに、電子ピアノと本物のピアノでは鍵盤の数は同じでもその構造、触った感触、音の響き、ペダルの重量感など全く違います。

「電子ピアノと本物のピアノは、玩具の柔らかいゴムボールで硬式野球をするくらいの違いがある。」とは、よく言われることですが、我が家の状況から電子ピアノがダメならピアノレッスンはあきらめるしかないのでしょうか?

いいえ!そんなことはありません!
電子ピアノには、電子ピアノだからこその良い点があります。

①電子ピアノはどこでも
簡単に移動可能!

①電子ピアノはどこでも
簡単に移動可能!

電子ピアノは小型で軽量なので移動が簡単にできます。

これは、転勤族だけでなくとも、家族構成の変化による置き場所の移動などに大変便利です。

ピアノを習い始めた頃、お子さんがまだ小さい時などは、出来るだけ家族の集まるところに楽器を設置してください。

毎日の練習がみんなの目の届く場所で行われることが肝心です。

例え子供部屋が有っても、小さい子供は食卓のテーブルの上で宿題やお絵かき、読書、ゲームをさせるようにする事は、親子のコミュニケーションを深め、現在の学習状況の把握、進度、又はつまづきの早期発見につながります。

例えば、お母さんが食事の支度をしながら、子供に声をかけることが出来る距離感がベストな場所です。

小さい子供は黙って学習することはほとんどありません。

「これなぁに?」「できた!みて!」「どうして?」など、小さな発見の一つ一つが学習です。

親はその都度、子供に返事をして下さい。「どこ?」「よくできたね!」「頑張ってるね。」等、声をかけることにより、「自分は見守られている。」と子ども自身に認識させる事で大きな安心感と「もっと褒められたい!」と云う気持ちを子ども自身の中に育てるのです。

子供部屋での学習等は、子供がある程度成長してから(自分自身で自学自習が出来るようになってから)で良いのです。

ピアノの練習は毎日の事なので、時には、気分が乗らない時や、ふざけてばかりの事もあります。

でも、それら全てを含めて『自分は見守られている!』と云う安心感がレッスンを続けさせる原動力にもつながるのです。

②電子ピアノは
音量調整が出来る!

②電子ピアノは
音量調整が出来る!

集合住宅だけでなく、同居家族間においても、音問題は重大です。

音量調整によって練習時間を自由に設定することができ、ほかの家族の生活に対する影響力を少なくすることが出来ます。

例えば、受験勉強をしている兄弟姉妹や、早い時間に就寝する家族や来客が有ってもペースを崩さず練習時間を確保出来ます。

また、録音装置のついた電子ピアノなら、その日の演奏を帰宅の遅いお父さんが深夜でも聞く事が出来ます。

ヘッドホンがありますが、小さいお子さんであれば必要ありません。

ヘッドホンの利用は大人、又は中高生以上が適当です。

ヘッドホンは、プライバシーを意識する年齢の子供さんや、集中して練習したい時、ある程度スラスラになるまで他の人には聞かれたくない場合にのみ使用しましょう。

電子ピアノでも普通のピアノでも、楽器の練習の基本は、自分の音をよく聞く事です。

③電子ピアノの鍵盤は軽い!

③電子ピアノの
鍵盤は軽い!

小さな子供の手は小さく、指も細く、勿論握る力も弱く、関節自体が柔らかいため、本物のピアノの鍵盤は重たく感じています。

ピアノのレッスンでは、上手になる第一歩として、指先を立てて演奏することを習います。

小さな子供がその細い指を立てて弾くと、ともすれば音自体がならないことも多々あります。

それで、音を出すために力を入れて打鍵すると、その細い指の関節がへこんでしまい、つぶれたような手の形になり、良い演奏姿勢を保つことが出来ないと云う問題が生じます。

電子ピアノは鍵盤そのものの重量が軽いため、関節が柔らかく力が弱い幼児でも楽に音を出すことが出来るのです。

こうしてみると、電子ピアノの方が幼児期のピアノの練習には良いのかもしれませんよ。

④電子ピアノの譜面台は低い!

④電子ピアノの
譜面台は低い!

小さい子供の座高はやはり低く、目線も低い為、グランドピアノのように譜面台が高い位置にあると、楽譜を見上げるようになり、見づらいです。

アップライトピアノはグランドピアノよりは低い位置に譜面台が有りますが、電子ピアノの譜面台は更に目の前、鍵盤のすぐ近くにある為、座高の低い子供にとって、楽譜が身近に感じられるという利点があります。

ドレミの読み方を習って、楽譜を読みながら鍵盤を打鍵するのは実際の所、難しいものです。

楽譜が見づらい事から自分自身で楽譜を読まず、音を覚えて鍵盤を探るようになってしまうと、その時は良く思えても、後々、上達を求める段階が来た時に自分自身が大変困る事になります。

レッスンを始めたスタート時期にこそ、しっかりと自分の目で楽譜を読みながら打鍵する癖付けをして下さい。

⑤電子ピアノのペダルは軽い!

⑤電子ピアノの
ペダルは軽い!

電子ピアノと本物のピアノの一番の違いを実感するのが、ペダルの重さです。

その構造の違いから、本物のピアノのペダルは重いです。

楽器自体も重量が有りますが、鍵盤全てに作用するペダルは、身体の小さな子供や、体重の少ない人が片足で踏むには、相当に重いのです。

ペダルの機能は演奏者が鍵盤を押し続けていなくとも、音や響きを鳴らし続けると云う大変便利で魅力的な機能です。

ペダルを使った演奏は、ある程度のレベルが高くならないと出てきませんが、曲の中でペダルを使用して演奏するのは、全てのピアノ学習者にとっての憧れでしょう。

ペダル初心者や小さな子供の場合、多くがその重さに対抗するかのように、膝を浮かせて、足全体の重みをかけて踏んでいる場合が多々有ります。

正しいペダル奏法は、かかとを床に着け、重心を安定させた状態で足首を使って踏みます。

身体が大きく、体重のある人ならば問題なくそれが出来るのですが、子供の場合は難しいです。

電子ピアノのペダルは実に軽くて、膝を浮かせる必要はありません。

家庭での練習に軽いペダルの電子ピアノで弾いていて、レッスン室のピアノの重たいペダルを使用しての演奏では、大きなギャップが生じます。

電子ピアノでも
上達できないことはない

電子ピアノでも
上達できないことはない

いかがでしょうか?

電子ピアノならではの利点は小さな子供が初級レベルでレッスンするには、本物のピアノよりも優っているかも知れませんね。

但し、演奏レベルが高くなり、高度な演奏技術を必要とされる曲を勉強する時期が来た時には、本物のピアノに変えた方が良いことは疑う余地がありませんが、決して電子ピアノでは上手にならない訳ではない事がご理解いただけましたか?

電子ピアノで、楽譜の読み方、基本的なピアノ奏法やペダル奏法までが習得できれば、クラッシックのコンサートピアニストは無理でも、名曲アルバムに出てくるような有名な曲や、好きなアイドルやアニメソングくらいは充分に演奏出来るようになれます。

電子ピアノでも、自分自身で演奏できる喜びを是非身に付けてもらいたいです。



長廻かおる

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