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ピアノの上達は椅子で決まる!?
ピアノが上手くなる椅子の選び方

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ピアノの上達は
椅子で決まる!?

ピアノが上手くなる
椅子の選び方

 

ピアノ演奏をする時に絶対になくてはならないもの…それは椅子です。

新品ピアノを購入時に付属品サービスとして貰える椅子もありますが、一口で椅子と言っても沢山の種類があります。

ピアノの椅子はインテリアとしても重要ですが、ピアノが上手になりたいのなら、その機能を考えて購入してください。

では、どのような椅子を選べば良いのか、ピアノ椅子の大事な役割と機能をお話しします。

ピアノの椅子はなぜ重い?

ピアノの椅子は
なぜ重い?

ピアノ椅子は食卓椅子などに比べると、とても重いですよね。

ではなぜ、ピアノ椅子は重いのでしょうか?

実は、ピアノ演奏が上達するための秘密がここにあるのです。

ピアノの椅子は演奏時においては食卓用椅子とは違い、座る位置は前方で、体と椅子との接着面積はせいぜい10×20㎝~20×30㎝程度です。

座面積の3分の1程度の所に演奏者の全体重が掛かります。

しかも演奏中は重心が一ヶ所にとどまらず左右に細かく動くこともあり、その為、椅子自体の重量が軽いと、演奏中に椅子が動いたり、ガタつきが出たりと問題が起こります。

重いピアノ椅子はガタつかず安定しているので、毎日の練習で良い演奏姿勢を保つことができ、しかも長時間の練習時間でも疲れにくいという役割があるのです。

また、ピアノ椅子のクッション部分は薄く、くつろぎ用の椅子としては硬いモノですが、腰が沈まず良い姿勢を保つために適したクッションになっています。

ピアノ椅子の機能と特徴

ピアノ椅子には沢山の種類があります。

それぞれの椅子の機能と特徴を知りましょう。

A.ピアノ教室で一番使われている椅子

A.ピアノ教室で一番
使われている椅子

【背もたれが高く四角い、高低調節が背側にある椅子】
最もポピュラーなピアノ椅子の定番です。(約20,000~30,000円)

ピアノの先生が使われている椅子は、この椅子が多いのではないでしょうか?

コンサートホールでも使用される事も多く、ピアノ購入時に勧められる№1の椅子です。

■機能・特徴
この椅子の利点は、演奏者の身長、座高の変化に応じて背中のつまみ一つで簡単に対応できる事です。

また、椅子自体に重量がある為にガタつきが無く、安定感抜群です。

私はこの同じタイプの椅子を30年以上毎日使用していますが、今もガタつくことなくしっかりしています。

高価な価格に見合った椅子と言えるでしょう。

B.ピアノ上級者向けの椅子

【背もたれ無しの四角い高低調節可能椅子】
ピアノ演奏中に背もたれを使用する事は皆無です。

それ故、四角い椅子部分だけが高低調節出来るなら、それで十分ともいえます。
(約8,000~150,000円 ! )

■機能・特徴
価格の目安は、材質の違いと椅子の重量、高低調節ダイアルの機能で、価格幅がたいへん広い椅子です。

安価な椅子は軽量で子供が椅子を揺らしただけで簡単に倒れてしまいます。

つまり、演奏者のレベルが上がり使用鍵盤の範囲が広くなると、演奏者の重心が左右に細かく移動する事があるので、軽量の椅子はふらつきやガタつきを起こしてしまうことがあります。

ドレミの読み方を習っているレベルならば問題はありませんが、「ピアノが上手になりたい!」と思って練習される段階が来たら重量がある椅子に取り替えて下さい。

高価な椅子はコンサートホールでピアニストが使用しているアノ椅子です。

凸凹があり大きく盛り上がったクッションは本革で、椅子自体が重く片手では持てません。

高低調整は両サイドの大きなダイアルを回して調節をします。

高価な四角い高低調節可能椅子なら
ピアノが上手になるのか?

高価な四角い高低調節可能椅子
ならピアノが上手になるのか?

ピアノが上手になるのなら高価な椅子を…とお考えの方、お待ちください。

演奏者が初心者の子供なら、この椅子は合いません。
何故ならフカフカに見えるクッションは硬く、凸凹が大きいため幼児の演奏姿勢が上手く保てない場合があります。

また、ダイアルで高低調節をするので、身長、座高の変化が大きい時期にはどれ位の高さなのか?が目視しづらく、適正な高さを調節するのが難しいのです。

この椅子はピアノが上手になってから、購入される事を勧めます。

高価な四角い高低調節可能椅子はインテリアとしても魅力がありますね。

インテリアコーディネートをする場合は、椅子の色をピアノ本体の木目模様やワインレッド、ホワイト塗装などの模様やカラーに合わせると、調和がとれたインテリアになりますね。

C.簡易的に利用するための椅子

【折り畳み式椅子】
■機能・特徴
折り畳み式椅子はピアノ用ではありませんが、電子ピアノやキーボードに付属している事があります。

利用場所にもよりますが、すでにある程度のピアノ演奏力がある大人の方が使用するには便利な椅子です。

【高低調節不能椅子】
■機能・特徴
高低調節不能椅子はこれからピアノを習うお子さんには正直言ってあまりお勧めできません。

高低調節機能が無い椅子は、成長期のお子さんの場合演奏姿勢を正しくできないばかりか、前傾姿勢で演奏する癖がついてしまい、肩や肘に力が入るので、演奏能力に重要な「脱力」が出来ないまま、指だけ動かす演奏になってしまいます。

それにより、いくら練習しても上達出来ない状態を引き起こすことにもなりかねません。

また、ムリな姿勢で長時間ピアノ演奏をしていると、腱鞘炎や腰痛、胃下垂等のケガや病気が発症しやすくなります。

【丸椅子】
■機能・特徴
高低調節のできる丸椅子は昭和30年代頃に、多くのピアノと共に作られました。

丸椅子の中央部がスクリュー状態になっていて、丸椅子をクルクル回して高低調節を行います。

ピアノの演奏者は、椅子全体に腰掛けるのではなく、前方の一部にのみ全体重をかけて、左右に微妙に重心を動かしながら演奏をするので、丸椅子だとガタつきが出てしまいます。

丸椅子はインテリアとしては美しい椅子ですが、実用性は低く「ピアノが上手になりたい!」と思ってピアノを始めるお子さんには不向きと言えるでしょう。

演奏力の違いは椅子にあり!

演奏力の違いは
椅子にあり!

いかがですか?

揃える道具によっても上達スピードが違うのです。

「弘法(書道が名人のお坊さん)は筆を選ばず」といいますが、実は弘法ほど道具を選んだ人はいなかったそうです。おそらく良い道具を見極める鑑識眼があったのかもしれませんね。

本当にピアノが上手になりたいと思って楽器や椅子を選ぶのなら、今の自分ではなく、将来の自分のあるべき姿を考慮した上で、自分に合ったピアノ椅子をしっかり選ぶことから始めましょう。

それには、椅子の役割と機能等の基礎知識を踏まえ、これだ!と思えるあなたにピッタリの椅子を選んでくださいね。



長廻かおる

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